褐藻綱

 

光合成色素はクロロフィルa, c と補助色素フコキサンチンなどである.光合成産物の主要なものは多糖類のラミナランとマンニトールで,細胞壁にアルギン酸を含む.葉緑体は3重のチラコイドラメラからなり,2枚の葉緑体包膜と,核膜につながる2枚の葉緑体小胞体を合わせて4枚の膜で包まれる.遊走細胞の側面から2本の鞭毛を生ずる.鞭毛は不等長で,前方の鞭毛は羽型で,後方の鞭毛はむち型である.
すべて多細胞で,1列細胞の糸状体から複雑な組織からなる大型の体になるものを含むほとんどすべて海産であり,淡水産は1種類だけ知られている.
 

シオミドロ目: Ectocarpales:
体は1列細胞の糸状で,分枝はするが組織を作らない.有性生殖は同形配偶で,同形の世代交代をする.

イソガワラ目: Ralfsiales:
同形の世代交代をする.糸状体が接着して盤状体をつくり,直立部をもつものもある.

ウスバオオギ目: Syringodermatales:
1層の細胞層からなり,胞子体に比べて退化傾向にある配偶体をもつ.

クロガシラ目 Sphacelariales:
同形の世代交代をする.大きな頂端生長細胞を持ち,有性生殖は異形配偶子による.

ティロプテリス目 Tilopteridales: 体は糸状で分枝し,葉緑体はピレノイドをもたない.有性生殖は卵配偶である.大西洋に分布する.

アミジグサ目 Dictyotales:
同形世代交代をする.有性生殖は卵配偶で,無性生殖は運動性のない四分胞子による.

ナガマツモ目 Chordariales:
胞子体は糸状体が複雑に組織されて中軸と周囲の同化糸に分化している.配偶体は小形で,有性生殖は同形配偶である.

ウイキョウモ目 Dictyosiphonales:
胞子体は大形で,配偶体は微小な異形世代交代をする.

カヤモノリ目 Scytosiphonales:
配偶体が大形で,胞子体が殻状の異形世代交代をする.葉緑体は1個で,ピレノイドをもつ.

ムチモ目 Cutleriales:
同形世代交代をするものと,異形世代交代をするものを含む.頂毛生長という生長様式を持っている.有性生殖ははっきりした異形配偶である.


ケヤリ目 Sporochnales:
体の先端に毛の束を持つ頂毛生長をする胞子体と,雌雄同株の微小な配偶体との異形世代交代をする.有性生殖は卵配偶である.

ウルシグサ目 Desmarestiales:
胞子体は平面的に分枝をするか,膜状で,配偶体は微小で,卵配偶をする.

コンブ目 Laminariales:
胞子体は大形で,内部構造の分化も著しい.配偶体は微小で卵配偶をする.

ノテイア目 Notheiales:
オーストラリア特産で,ヒバマタ目のホルモシラに寄生し,胞子嚢が生殖器巣のなかに作られる.世代交代はない.

アスコセイラ目 Ascoseirales:
南極海特産で,生長点が分散している.胞子嚢が生殖器巣の中に作られる.世代交代はない.

ヅルヴィラエア目 Durvilaeales:
南半球に分布する.生長部位が分散し,生殖器巣も体全体に分散する.有性生殖は卵配偶で,世代交代はない.

ヒバマタ目 Fucales:
生長点は頂端にあり,生殖細胞は生殖器巣の中で作られ,世代交代はない.外見的に枝や葉のような部分に分化したものもある.