寒天はテングサ類やオゴノリ類などの紅藻類の細胞間多糖類で,水溶液が高温でゾルの状態になり,低温で凝固してゲルになる.海藻ゲルの食習慣は世界各地に古くから伝えられてきた.日本ではトコロテンと呼ばれる.トコロテンを凍結乾燥したのが寒天である.
テングサ科のテングサ属・オバクサ属・ユイキリ属の海藻が主要な原料であった.オゴノリ属の種類からの製造方法が開発されて,大量に使用されるようになった.ほかにイギス科のイギスやエゴノリ,イバラノリ科の種類も寒天質を含み,海藻ゲルとしていろいろな食品に加工されている.
寒天は食品添加剤として広く用いられるほか,化粧品にも利用されている.医学に関係して,細菌の培養基として重要であることはよく知られている.
寒天の成分を精製したアガロースはバイオテクノロジー分野でも重要で,DNA の電気泳動などに使われている .