小石原川のチスジノリ
 

福岡県朝倉市を流れる小石原川は筑後川の支流のひとつで,久留米市北野で筑後川と合流している。
筑後川の本流には田主丸恵利から久留米大堰の範囲にチスジノリが生育していることが1950年代から知られている。しかし,支流にチスジノリが分布しているという報告はほとんどない。

2006年4月におこなわれた(財)九州環境管理協会の調査により,小石原川の馬田橋の下で1株のチスジノリの生育が確認された。この地点は合流部から6.5km上流に当る。
2007年2月に筑後川の調査の一部として太刀洗町の栄田橋の橋脚の周囲で10数株のチスジノリを見ることができた。その後,馬田橋の橋脚付近を調べたところ,10株以上のチスジノリを観察した。

小石原川の東側の水路にはオキチモズクが生育している。この水路にチスジノリが生育しているのを「甘木自然の会」の飯田大和さんが発見された。

知らせを受けて早速現地を訪れた。オキチモズクが多い部分の下流に20株以上のチスジノリが生育しており,もっとも長いのは170cm以上の藻体(写真)であった。

チスジノリの生育範囲のなかにもわずかながらオキチモズクも見ることができた。
これまで,チスジノリは筑後川,矢部川,菊池川,球磨川,川内川のような大きい川に分布し,オキチモズクは湧水から流れる小さな水系に生育するものと考えていた。

けれども,今年になって満願寺川の例ではこの2種の生育域が接近していたり,甘木の水路のように重なっている場合もあることを知った。
                               (吉田 忠生)

   
小石原川のチスジノリの長さを測る飯田さん